最近はスマートフォンのカメラ性能が劇的に向上し、今やコンデジ(コンパクトデジカメ)市場は衰退しつつあります。
しかし、SONYのフルサイズミラーレスカメラの登場により、レンズ交換式カメラ(主にミラーレス)の需要は今も高いです。
しかし、売れ筋にランクインするカメラは「フルサイズ」や「APS-C」などの大型のセンサーサイズばかり。
センサーサイズは大きければ大きいほど、表現力やボケを大きく撮影することができますが、「マイクロフォーサーズ」という小さいセンサーでも、条件を満たせばそれなりにキレイな写真を撮ることができます。
今回はマイクロフォーサーズのメリット・デメリットをまとめてみました。
マイクロフォーサーズとは?
マイクロフォーサーズシステム規格とは、オリンパスとパナソニックが開発した共通規格です。
他のセンサーサイズ(フルサイズ・APS-C)では、各社で異なるマウント(※1)となっており、基本的に他社製レンズは使いまわしができません。
「基本的に」とは、他社製レンズを使用するための「マウントアダプター」と呼ばれるものも存在しますが、AF挙動が怪しい・正常に動作しないなど、あまりおススメできるものではありません。
(純正メーカーが販売するマウントアダプターは除く)
しかし、マイクロフォーサーズ規格では、OLYMPUSとPanasonicの共通規格であるため、どちらのメーカーのレンズでも使用することが可能です。
また、サードパーティ製レンズ(※2)も豊富にあるため、様々な種類から自分に合ったレンズを選ぶことができます。
※1.レンズとボディを繋げる部分
※2.レンズメーカーなどの社外品
メリットとデメリット
前述のように、マイクロフォーサーズ規格では、豊富なレンズに強みがありますが他にも様々なメリットがあります。
メリット
- 他社メーカー製レンズの使いまわしが可能
- レンズ・カメラ共に小型で軽量
- 大型センサーより望遠に強みがある
- 特殊な焦点距離のレンズがある
センサーサイズが大型であるほど、カメラ本体・レンズも大きく重くなります。
しかし、マイクロフォーサーズ規格では、比較的このあたりのシステムが軽量・小型となり、旅行や日々の持ち歩きには適していると言えます。
また、小型センサーは望遠に強みがあり、小型のレンズでも大型センサー用レンズとは比較にならないほどの望遠撮影が可能です。
例えばこの写真のレンズは、APS-C用レンズ(左)とマイクロフォーサーズ用レンズ(右)ですが、マイクロフォーサーズ用レンズは35mm換算(フルサイズ換算)で300mmの焦点距離で撮影が可能です。
APS-C用レンズは画角の異なるレンズなので参考程度ですが、35mm換算で最大焦点距離280mmで、サイズはここまで大きくなります。
マイクロフォーサーズには他のセンサーサイズのレンズにない、特殊な焦点距離のレンズがあります。
このレンズは35mm換算で24-400mm相当の焦点距離をカバーでき、この一本で広角から望遠まで使えるレンズとなります。
個人的にはこのレンズと解放F値の低い(明るい)レンズがあれば十分だと思います。
ここまではメリットを紹介しましたが、次はデメリットを見てみましょう。
デメリット
- 広く写すのが苦手
- 高感度(ISO感度)が弱い
- ボケ量が少ない
これらデメリットは、やはりセンサーサイズが小さいことによるものです。
望遠に強いメリットがありますが、反対に同じ焦点距離のレンズを使用した場合、センサーサイズが大きい方が広く撮影ができます。
また、小型・軽量のメリットはあくまで望遠での撮影を考えた場合で、標準ズーム域ではフルサイズミラーレスとほぼ同等となり、メリットを大きく活かせません。
センサーサイズが小さいと当然、光を受ける面積も小さいため、暗所や明暗の差が大きい撮影には弱いです。
ボケ量については、細かく解説するととても長くなってしまうので割愛しますが、センサーサイズが大きいほどボケるので、マイクロフォーサーズでは苦手な分野になります。
簡単に言えば「同じ距離」「同じ絞り(F値)」「同じ画角」であれば、センサーの大きい方が有利です。
ボケを大きくする撮影方法
ボケは小さいのがマイクロフォーサーズのデメリットではありますが、少し工夫をすることで、ボケを大きく撮ることができます。
上記の写真は全てOLYMPUSのマイクロフォーサーズのカメラで撮影していますが、被写体(子ども)との距離が近ければ近いほど、ボケが大きくなっています。
わかりやすく比較した画像はこちら
これは35mm換算で300mmの焦点距離で、あえて遠くから望遠して撮影しています。
遠くから望遠で被写体を大きく写すことで被写界深度が深くなり、圧縮効果でボケを大きく写すことができます。
もちろん、フルサイズやAPS-Cなどの大きいセンサーで同じことをすると、さらにボケ味は大きくなりますが、マイクロフォーサーズの「望遠に強い」を活かせば、持ち歩きカメラながら大きなボケを楽しむことができます。
まとめ
意外に小さいセンサーでも少し工夫をすれば、ボケを大きく写すことは可能です。
ただし、暗所での撮影や表現力ではフルサイズなどの大型センサーには劣るので、自分の使い方に合ったセンサーサイズを選ぶことが大切となります。
また、本気撮り用は「フルサイズ」、旅行用は「マイクロフォーサーズ」のように使い分けるのも良いので、一度検討してみて下さい。
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